牛白血病ウイルス抗体検出のためのELISAの開発 : 中和試験及び寒天ゲル内沈降反応との感受性の比較
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概要
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牛白血病ウイルス(BLV)感染細胞培養液を硫安塩析により濃縮後, 蔗糖濃度勾配遠心により精製したウイルスをTriton X-100で処理した抗原を用いてBLV抗体検出のためのELISAを行った. BLV清浄牛群141頭の血清を基準としてELISAの陰性値(X+3SD)を決定した後, 疑陽性値, 陽性値を設定した. 実験感染牛の経過血清を用いると, ELISAはID反応の陽転以前, または陽転と同時に陽性となった. またgp抗原及びp抗原を用いた吸収試験の結果, 本反応はgp抗原及びp抗原に対する抗体を検出していることが確認された. BLV汚染牛群中の1,060頭につきID反応とELISAを比較したところ, ID反応陽性例(447例)はすべてELISA陽性, ID反応陰性例のうち21例(3.4%)がELISA陽性, 33例(5.2%)が疑陽性と判定された. ID反応陰性・ELISA陽性例のほとんどは中和試験陽性であった. またID反応陰性・ELISA疑陽性例ではほぼ半数が中和反応陽性となった. 以上の結果から本ELISAはID反応より優えたBLV感染牛の診断法であると考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
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