各種市販補液剤を用いた脱水ホルスタイン種去勢牛における静脈内補液療法の比較

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5種類の市販補液剤の有効性および性質を比較検討するために, 48時間の食事制限によって脱水させたホルスタイン種去勢牛に5種類の市販補液剤を頚静脈より投与した. 補液剤の投与量 (30ml/kg) は, 脱水前の体重を基準に算出した維持補液量とし, 投与速度は市販補液セットの最高投与速度に設定した. 脱水前, 投与0, 15, 30, 45, 60, 90, 120, 240, 360分目および24時間後にそれぞれ動脈及び静脈血液サンプルを採材した. 48時間の食事制限によって, 体重および循環血漿量指数は脱水前に対してそれぞれ7.72および21.93%低下し, 体液の欠乏量は44.7lであった. 本検討で用いた14G留置針および補液セットにおける1l投与時間は102±10分であり, 補液剤の種類による差は認められなかった. 全ての市販補液剤投与により循環血漿量は113%まで増加したが, 投与終了時より糖を含む5%グルコース液 (5G) および1/2リンゲル+2.5%グルコース補液剤 (RG) 投与群において急速な循環血漿量の減少が認められた. また, RGは血漿中の塩酸基平衡および血清中電解質の変化が他の市販補液剤と比較して僅かであり, 腎におけるグルコース再吸収が適正量 (0.5g/kg/hr) であった. よって, RGは静脈内投与において安全かつ効果的であり, 本検討のような脱水牛に対する補液療法において, RGを用いることが望ましい.
社団法人日本獣医学会の論文
1997-08-25

各種市販補液剤を用いた脱水ホルスタイン種去勢牛における静脈内補液療法の比較

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