Nested PCR法により測定した家畜腸内官物中のエンテロトキシン産生ウェルシュ菌の最確数

概要

論文の詳細を見る
牛, 豚および鶏の腸内容物におけるエンテロトキシン産生ウェルシュ菌の分布と菌数を調査し, ウェルシュ菌総菌数と比較した. エンテロトキシン産生ウェルシュ菌の菌数測定は最確数(MPN)法と検体の増菌培養後のnested PCRの組合せにより行った. エンテロトキシン産生ウェルシュ菌は牛腸内容物26%(4.0×10〜4.3×10^2 MPN/100g), 豚腸内容物22%(4.0×10〜2.3×10^3 MPN/100g)および鶏腸内容物40%(4.0×10〜2.4×10^4 MPN/100g)から検出された. 一方, ウェルシュ菌は通常のMPN法により, 牛腸内容物76%(9.0×10〜7.5×10^6 MPN/100g), 豚腸内容物44%(7.0×10〜4.3×l1^6MPN/100g)および鶏腸内容物80%(4.3×10^2〜9.3×10^7 MPN/100g)から検出された. すべての検体でエンテロトキシン産生ウェルシュ菌は優勢な存在ではなかった. 少数のエンテロトキシン産生ウェルシュ菌が多数のエンテロトキシン非産性ウェルシュ菌と同一検体中に存在していた. エンテロトキシン産生菌のウェルシュ菌総菌数に対する比率は1/10〜1/10^5であった.
社団法人日本獣医学会の論文
1997-07-25