Nested Polymerase Chain Reaction(nested PCR)と最確数法の組合せによる牛, 豚および鶏の腸内容物中のエンテロトキシン産生ウェルシュ菌の検出および定量法
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概要
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牛, 豚および鶏の腸内容物中のエンテロトキシン産生ウェルシュ菌の菌数を測定するために, nested PCRと最確数法を組合わせた方法について検討した. 検体の10倍段階希釈液をそれぞれ3本の増菌培地に接種して37℃で20から24時間培養後, 菌を分離することなく培養液からnested PCRによりエンテロトキシン産生遺伝子を検出した. 実験的に菌を接種した腸内容物を用いた場合, この方法により測定した結果は寒天平板培養法のそれと良く相関した. また本方法を用いて腸内容物中のエンテロトキシン産生ウェルシュ菌の菌数を測定したところ, 本菌は牛, 豚および鶏の腸内容物各10検体中2, 2および3検体から検出された. エンテロトキシン産生ウェルシュ菌の菌数は, ほとんどの検体で10MPN/g以下であったが, 鶏の1検体は1.5×10^2MPN/gであった. Nested PCRと最確数法を組合わせた方法は容易に実施可能で, 腸内容物中のエンテロトキシン産生ウェルシュ菌の検出定量に有効な方法となるかもしれない.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1997-02-25
著者
-
三輪 憲永
東海大学短期大学部
-
仁科 徳啓
東海大学短期大学部
-
三輪 憲永
静岡県環境衛生科研
-
三輪 憲永
静岡県西部食肉衛生検査所
-
久保 周一郎
日本大学農獣医学部
-
仁科 徳啓
静岡県西部食肉衛生検査所
-
渥美 美喜雄
静岡県西部食肉衛生検査所
-
仁科 徳啓
中部衛生検査セ
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