組換え豚サーコウイルス2型キャプシドタンパク質を用いたELISAの開発(ウイルス学)
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概要
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豚サーコウイルス2型(PCV2)には,キャプシドと複製関連タンパク質をコードする2つの主要なORFが存在する.これらのうち主要な構造タンパク質であるキャプシドタンパク質は,PCV2特異的抗体を検出するためのELISAの適切な抗原であり,またそれによりPCV2感染の監視が可能と考えられる.抗原の生産のためにキャプシドタンパク質の遺伝子をバキュロウイルストランスファーベクターに挿入し,組換えキャプシド(rC)タンパク質をC末端に6残基のヒスチジンを連結させた形態で発現させた.rCタンパク質をアフィニティーカラムで精製し,豚血清中のウイルス特異的抗体を検出するためのELISAに用いた.rCを抗原とするELISAを開発し,陽性と陰性の豚血清をそれぞれ49例ずつ用いて評価をした.野外血清102例を用いた既存の抗体測定法であるIPMA法との比較試験では,rcELISAはIPMA法と89.2%判定結果が一致し,特異性が88.5%,感受性が89.4%と判定された.特異性試験では,PCV1,豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスおよび豚パルボウイルスと全く交差反応性を示さなかった.これらの結果から本rcELISAは,日常の血清診断およびPCV2に開運する疾病の疫学的調査に有用であると考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2004-03-25
著者
-
布谷 鉄夫
(財)日本生物科学研究所
-
伊原 武志
(財)日本生物科学研究所
-
上田 進
日本生物科学研究所
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上田 進
東大院農日生研
-
上田 進
(財)日本生物科学研究所
-
劉 長明
(財)日本生物科学研究所
-
Ihara Takeshi
Nippon Institute For Biological Science
-
布谷 哲夫
(財)日本生物科学研究所
-
Liu Changming
Department Of Immunology National Institute Of Animal Health Department Of Molecular Immunology School Of Agriculture And Life Sciences The University Of Tokyo
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