END現象を示さない豚コレラウイルスの細胞病原性はNS3蛋白の蓄積に関係する(ウイルス学)
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概要
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ペスチウイルスは細胞病原性ウイルスと非細胞病原性ウイルスに分類される.本研究において,免疫沈降法及びウエスタンブロッティング法を用いて豚コレラウイルス感染細胞における非構造蛋白質NS2-3及びNS3を解析し,細胞病原性との関係を調べた.END現象を示した豚コレラウイルス(END陽性ウイルス)は,試験に用いたいずれの培養細胞にも細胞変性効果(CPE)を示さず,ウイルス接種後72時間目の細胞内に主にNS2-3が検出された.一方,END現象を示さないが,干渉現象を示す豚コレラウイルス(END陰性ウイルス)は無血清培養細胞であるFS-L3細胞及びCPK-NS細胞に明瞭なCPEを示し,ウイルス接種後72時間目の細胞内にNS3が優位に検出された.また,ALD-ENDウイルス(END陰性ウイルス)を接種したFS-L3細胞を経時的に解析した結果, NS2-3が開裂し,NS3がより強く検出されるにつれてCPEが強くなることが明らかとなった.以上の成績は,END現象を示さない豚コレラウイルスが無血清培養細胞で示す細胞病原性において,非構造蛋白質NS2-3の開裂が重要であることを示す.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2004-02-25
著者
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福所 秋雄
日本獣医生命科学大学
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鈴木 祥子
農林水産省動物医薬品検査所
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青木 博史
農林水産省動物医薬品検査所
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中村 成幸
農林水産省動物医薬品検査所
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迫田 義博
(独)動物衛生研究所海外病部
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福所 秋雄
(独)動物衛生研究所海外病部
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福所 秋雄
農林水産省家畜衛生試験場
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中村 成幸
農林水産省動物医薬品検査所検査第一部鶏病製剤検査室
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迫田 義博
北海道大学大学院 獣医学研究科
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迫田 義博
(独)動物衛生研究所海外病部:北海道大学大学院獣医学研究科微生物学教室
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Sakoda Yoshihiro
Department Of Disease Control Graduate School Of Veterinary Medicine Hokkaido University
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福所 秋雄
農林水産省家畜衛生試験場海外病研究部
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