牛ウイルス性下痢ウイルスの細胞病原性型から非細胞病原性型への変異はウイルスRNAに組込まれている細胞由来のmRNAの脱落に関連している
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概要
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細胞病原性牛ウイルス性下痢ウイルス(NADL株及びOsloss株)を6回連続的にクローンニングした純化ウイルス材料から逆プラック法を用いて非細胞病原性牛ウイルス性下痢ウイルスを検出した. この現象から, 細胞病原性ウイルスの増殖過程で, 非細胞病原性ウイルスが低率で産生されることが推定された. この現象を解明するために, 細胞病原性ウイルスRNAに組込まれている宿主細胞由来mRNAの動向についてRT-PCR法, 遺伝子クローニング, 塩基構造解析等の技術を用いて解析した. その結果, NADL株及びOsloss株から分離された非細胞病原性ウイルスでは, 真の親にあだる細胞病原性ウイルスのRNAに組込まれている宿主細胞由来mRNAが脱落していることが解明された. このことから, 細胞病原性牛ウイルス性下痢ウイルスは, その増殖に伴い, ウイルスRNAに組込まれている宿主細胞由来mRNAが脱落することによって細胞病原性型から非細胞病原性型に復帰変異するものと考えられる.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1997-05-25
著者
-
福所 秋雄
日本獣医生命科学大学
-
坂本 研一
農林水産省家畜衛生試験場
-
中村 成幸
農林水産省動物医薬品検査所
-
嶋崎 智章
農林水産省動物医薬品検査所
-
井上 剛光
農林水産省動物医薬品検査所
-
福所 秋雄
農林水産省家畜衛生試験場
-
中村 成幸
農林水産省動物医薬品検査所検査第一部鶏病製剤検査室
-
迫田 義博
北海道大学大学院 獣医学研究科
-
迫田 義博
(独)動物衛生研究所海外病部:北海道大学大学院獣医学研究科微生物学教室
-
Sakoda Yoshihiro
Department Of Disease Control Graduate School Of Veterinary Medicine Hokkaido University
-
迫田 義博
農林水産省家畜衛生試験場海外病研究部
-
小川 信雄
農林水産省動物医薬品検査所
-
福所 秋雄
農林水産省家畜衛生試験場海外病研究部
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