集約放牧を育成期に組み入れた乳用種の肉生産 : 2. 産肉成績と枝肉評価
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概要
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集約放牧により育成した後, 肥育したホルスタイン去勢牛群(放牧育成区: G区)の増体成績と肥育成績を現行の方式で肥育した牛群(対照区: C区)と比較した。G区の供試牛は, 34から39頭(平均体重243kg/head)で, チモシー(Phleum pratense L.)草地とペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)草地を用いた集約放牧により育成した後, 約12ケ月間肥育した。この結果, G区の通算の飼養日数は, 平均545日であった。G区は, この飼養方法を3回繰り返して行った(G1, G2, G3)。C区は, 2牛群(C1: 18頭, C2: 21頭)からなり, 平均体重は263kg/headであった。これらの牛群は, G3と同時期に肥育農場に導入され, 放牧は行わずに約18ケ月間肥育された。C区の平均飼養日数は, 536日であった。肥育期間中の飼料は, 配合飼料(TDN: 71.3%, DCP: 11.4%), 製造粕類(TDN: 94.8%, DCP: 7.7%), ケイントップであった。G区とC区の肥育終了時の平均体重は, それぞれ805kg/headと835kg/headであった。G区の放牧試験期間中の平均日増体量(DG)は, 0.93kg/dayで, C区の同時期の1.01kg/dayに比べ低かったが, 肥育期間中のDGは, C区に比べ高かった。この結果, G区の飼養期間通算のDGはC区と同程度であった(G区: 1.04kg/day, C区: 1.06kg/day)。G区における平均枝肉重量は446kg/headで, C区は, 474kg/headであった。また, G区における肉質等級3以上の割合は58%で, C区の59%と差はなかった。さらに, 屠場における内臓の一部廃棄牛の頭数は, G区が39頭中3頭, C区が36頭中9頭であった。
- 2005-04-15
著者
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池田 哲也
北海道農業研究センター:(現)畜産草地研究所山地畜産研究部
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三田村 強
北海道農業研究センター:(現)農業環境技術研究所
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池田 哲也
北海道農業研究センター:(現)畜産草地研究所
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池田 哲也
北海道農業研究センター
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