チモシ-(Phleum pratense L.)草地における集約放牧技術の開発 : 3.集約放牧草地の植生と牧草生産性

概要

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短期輪換放牧と兼用利用を組み合わせて,4年間集約放牧方式を行ったチモシー(Phleum pratense L., TY,品種ホクシュウ)草地(集約放牧区)の植生と収量の変化について調査し,年3回刈りの採草利用を行ったTY草地(採草区)と比較した。集約放牧区は,35の小牧区に分割され,全校区の43%は,放牧期間中を通して輪換放牧を行った(放牧区)。残りの牧区(兼用区)は,6月上旬にサイレージ調製するため刈り取り,その後,放牧終了まで放牧区と一緒に放牧した。放牧区と兼用区の放牧強度は,それそれ618と353Cow-Day/ha/年であった。採草地は,6月上旬,7月下旬,9月中旬に刈取った。結果は次の通りであった(1)利用4年目春における,TYの乾物重量構成割合は,放牧区,兼用区がそれそれ84,74%と,採草区の54%より高かった。また,ケンタッキーブルーグラスやシロクローバ等が年々増加した。(2)集約放牧区の採食可能草量は, 6,357kgDM/haと推定され,採草区の6,633kgDM/haと同程度であった。(3)放牧区と兼用区における放牧草の採食量は,6,247と3,583kg DM/haと推定され,これらを面積割合で加重平均して求めた集約放牧区全体の放牧草採食量は,4,729kgDM/haと推定された。
日本草地学会の論文
2003-08-15