ヒトヒフバエによる皮膚蠅症の 1 例 : 本邦 12 例目
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
21歳, 男性。平成6年9月ピラニアの捕獲目的でブラジルのマナオスからネグロ川ぞい約300km上流のジャングルに旅行中, 右上腕を蚊のような虫に刺された。虫刺部に発赤・腫脹を生じるようになり, 中心部には硬結がみられ血漿浸出液を伴う瘻孔を認めるようになった。帰国後近医を受診, 抗生物質を処方され腫脹はやや軽減したが, 右腋窩のリンパ節の腫脹がみられるようになり, その後瘻孔より白色半透明の虫体が出入りするのが目撃された。虫体は捕えようとすると素早く瘻孔にもぐりこんだ。患者自身がでてきた虫体の採取に成功し, 虫体を持参のうえ神戸大学付属病院皮膚科を受診。体長約1.5cm, 白色のとっくり状の虫体で同大医動物学教室にて, ヒトヒフバエのニ齢幼虫と同定された。ヒトヒフバエ(症)は日本土着のものではなく, 中南米からの輸入例が全部を占めている。1974年のKageiらの報告以来本邦12例目となる。最近5∿10年間に報告が集中しており, ヒトヒフバエが生息する中南米の熱帯雨林地域への旅行者の激増に伴う発生増加が要因と考えられる。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1996-03-15
著者
-
市橋 正光
神戸大学大学院医学系研究科皮膚科学
-
松村 武男
神戸大学医学部医動物学
-
松村 武男
Department Of Medical Zoology Kobe University Shool Of Medicine
-
松村 武男
神戸大医
-
市橋 正光
神戸大学医学部皮膚科
-
西岡 恵里
神戸大学医学部皮膚科学教室
-
船坂 陽子
神戸大学医学部皮膚科学教室
-
長濱 通子
神戸大学医学部皮膚科学教室
-
鷲尾 文郎
神戸大学医学部皮膚科学教室
-
加藤 晋造
加藤医院
-
船坂 陽子
神戸大学医学部附属病院皮膚科
関連論文
- 3S3a05 中外製薬における海外微生物資源へのアクセスと利用(海外微生物資源へのアクセスとその利用,シンポジウム)
- 3S3a04 モンゴル国において採取した微生物の同定と評価(海外微生物資源へのアクセスとその利用,シンポジウム)
- 3S3a03 インドネシアから分離された放線菌は本当に魅力的な微生物資源なのか?(海外微生物資源へのアクセスとその利用,シンポジウム)
- 3S3a02 アジア微生物資源探索(海外微生物資源へのアクセスとその利用,シンポジウム)
- 1Hp19 真菌類由来の糖化活性酵素の比較による有用性の評価(バイオマス・資源・エネルギー工学,一般講演)
- 1Hp14 前処理バイオマス分解活性を指標とした真菌類からの有用セルラーゼの探索(バイオマス・資源・エネルギー工学,一般講演)
- 2Ha13 長崎沿岸海域より分離された放線菌の分布と生物活性について(分類・系統・遺伝学他,一般講演)
- プエブロ・ラグーナの辿った道 (北米先住民の経済開発と文化再生)
- 春秋学基本語集(一)
- 体育人と身体観(23)丹下保夫(1916〜1966)
- 学童期の体力づくり (特集 ライフスパンと健康・体力づくり)
- P9-3 タオル執着の世代間発現期反復
- 中国一瞥--一〇日間の言葉の記録
- P2-32 寝起きの悪さの"世代間発現期反復"
- 12年後に late recurrence を来した皮膚悪性黒色腫
- 163 アトピー性皮膚炎におけるかゆみと心理的因子の関係についてのアンケート調査
- (1) 皮膚科から,髄膜炎併発例について(5 興味深いDIHSの症例報告)(シンポジウム4 Drug-induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)を巡る重症薬剤アレルギーの新展開)
- 253 運動により症状増悪を認めたニンニク・ネギに対する食物アレルギー症例の検討
- 276 温熱減感作療法が奏功した局所性温熱蕁麻疹の一例
- 試合期の韓国プロサッカー選手の二重標識水法による総エネルギー消費量測定
- 1 はじめに(環境変化と寄生虫病)
- 環境変化と寄生虫病 (第50回日本寄生虫学会西日本支部大会シンポジウム特集)
- PCR 法を用いたトキソプラズマ感染実験マウスの血液および脳組織からのトキソプラズマ原虫の検出
- 最近の寄生虫症と画像診断
- 銀イオン含有消臭用砂「ザムシュウ」のマウス飼育ゲージにおける消臭効果
- 銀イオン含有消臭用砂「ザムシュウ」のマウス飼育ケージにおける消臭効果
- O-6 プロテインキナーゼC各分子種のラット嗅球内分布
- 9 アルボウイルスの形態形成 : (5) 蚊培養細胞 C6/36 および Vero 細胞におけるデング 2 型ウイルスの成熟部位について
- 5 MORPHOGENESIS OF ARBOVIRUSES MATURATION : (1) COMPARISON OF CHIKUNGUNYA VIRUS MATURATION IN MOSQUITO CULTURED (C6/36) AND VERO CELLS
- 抗体データ解析の新たなアプローチ:兵庫県におけるトキソプラズマ抗体陽性率の数学的分析と小児における周期的感染流行の示唆
- EFFECT OF INTESTINAL HELMINTH INFECTION ON SOME NUTRITIONAL PARAMETERS AMONG RURAL VILLAGERS IN NEPAL
- 25-P5-07 ハイドロキノン軟膏の製剤学的評価 : 添加剤の影響
- 23 淡路島における紅斑熱の疫学調査 (1)
- 膵嚢胞腺癌と診断し術後肝蛭の膵内寄生と判明した1例
- 皮膚イヌ糸状虫症の1例
- B19 鉄道車両客室におけるヒョウヒダニ汚染
- 224 オフィスビルにおけるヒョウヒダニ抗原分布
- B-10 ダニアレルギー患者宅と公共施設の屋内塵中ヒョウヒダニ抗原量比較
- 61 当教室で用いている屋内塵中ダニ抗原量測定法の評価
- 2 公共宿泊施設(旅館および簡易宿泊所)の屋内塵中ダニ抗原分布について
- 28 公共施設の屋内塵中ダニ抗原分布比較について
- 17 公共施設(映画館、旅館)の屋内塵中ダニ抗原分布について
- 10 公共施設(ホテル、病院等)の屋内塵中ダニ抗原量測定について
- 54 公共施設(病院・ホテル)と一般家屋内の屋内塵中ダニ抗原分布について
- 21 市販の専用集塵器具を用いた室内塵サンプル採取方法に関する検討
- 78 病院小児科より依頼を受けた屋内塵中ダニ抗原量測定検査の経過について
- 10 当教室で行なつている屋内塵中ダニ抗原量測定検査システムの概要
- 6 ヒョウヒダニ特異モノクローナル抗体を使つた室内塵性ダニ抗原定量について
- 4 単クローン性抗体を使用した酵素抗体法による室内塵中ダニ抗原量測定の試み
- 64 室内塵性ダニ類のモノクローナル抗体を使った免疫学的検出法に関する検討
- 紫外線による免疫制御
- 紫外線の予測
- PREVALENCE OF ANTIBODY TO TOXOPLASMA GONDII IN HYOGO PREFECTURE, JAPAN: COMPARISON AT A 10-YEAR INTERVAL
- ヒゼンダニ症院内感染の治療と防疫対策(第1回研究発表会講演抄録)
- 季節講座(4)紫外線による傷害 日光角化症
- 季節講座 紫外線による傷害--紫外線は遺伝子変異を誘発し免疫を抑制する
- 季節講座(1)紫外線による傷害 太陽紫外線(SUV)が皮膚に与える影響
- はじめに
- 追悼 黒川逍先生を偲ぶ[含 業績目録]
- 33 Aedes 属蚊幼虫の殺虫剤感受性について
- シバンムシアリガタバチの防除に関する研究 : I. ジンサンシバンムシの殺虫剤感受性
- 23 ジンサンシバンムシの殺虫剤感受性について
- A-01 日本脳炎ウイルスの浸淫と犬糸状虫の生態(コガタアカイエカと日本脳炎)
- ネパール国カトマンズ市内の附属大学病院における鉤虫感染状況 : lO年間の記録
- 赤痢アメーバ症の血清学的診断法の比較検討
- PD040 親の衝動買い傾向と子どもの欲張り傾向(ポスター発表D,研究発表)
- 11教-2P-K29 体育科学習指導要領における学習内容の概念的成立の一考察 : カリキュラム編成の参考としての学習指導要領を中心に(11.体育科教育学,一般研究発表抄録)
- 学校体育への貢献を考える : 学習指導要領の作成の立場から(日本体育学会の学校体育への貢献を考える,シンポジウムI,本部企画)
- 光老化よ"さようなら"
- 光と皮膚がん
- 太陽紫外線は皮膚に有害 : スポーツを楽しみながら若々しい肌を保つ方法
- 母子手帳から「日光浴」の消える日 : 子どもの日焼けにはいいところなし
- 皮膚癌発症要因に関する疫学的共同研究(第3報) (社団法人神緑会事業報告3)
- MATURATION SITE OF DENGUE TYPE 2 VIRUS IN CULTURED MOSQUITO C6/36 CELLS AND VERO CELLS
- 13 蚊におけるアルボウイルス感受性の研究 : 12 ネッタイシマカのチクングニアウイルス感受性
- 蔗糖液を用いた遠心沈殿法によるダニ分離(第4回研究発表会講演抄録)
- 4 アスピリン蕁麻疹について : 臨床経過の多様性を中心に(アスピリン過敏症の病態と治療)
- Food-Dependent Exercise-Induced Anaphylaxis(FDEIA)の本邦報告例集計による考察
- 397 アスピリン蕁麻疹のもつ多面性
- 524 Food-Dependent Exercise-Induced Anaphylaxis (FDEIA)の本邦報告例集計による考察
- アトピー性皮膚炎重症化におけるカンジダの重要性と抗真菌剤内服療法の有効性について
- アトピー性皮膚炎におけるグリコセラミドの有用性 (特集 セラミドの科学--その機能と応用)
- 発症から2年で潰瘍を伴う紅皮症を呈し, 予後不良の転帰をとった菌状息肉症
- 皮膚のアンチエイジング (アンチエイジングの科学--老いに負けない) -- (老いない人生への展望)
- ADF/TRXの産生に及ぼす植物抽出物の影響
- 美白剤としてのビタミンEフェルラ酸エステルの開発と応用 (特集 美白剤の開発と製品展開)
- ビタミンEフェルラ酸エステルの美白作用 (特集/最近の美白剤の研究開発動向)
- ヒトヒフバエによる皮膚蠅症の 1 例 : 本邦 12 例目
- 東南アジア、特にインドネシアにおけるデング出血熱ウイルスの生態学的・免疫学的研究 : 免疫電子顕微鏡法による感染オオカからのアルボウイルス検出法の試み (国際交流研究中間報告(予報))
- 脂腺母斑より生じた有棘細胞癌と基底細胞癌の併発例
- 皮膚と老化
- 特別養護老人ホーム内感染・ヒゼンダニ症治療と環境防疫対策について(第4回研究発表会講演抄録)
- 実験動物飼育環境におけるベイト剤とマイクロカプセル剤によるゴキブリ防除
- 2 系統のヒトスジシマカにおけるチクングニアウイルス感受性の比較
- 数種の蚊のチクングニアウイルス感受性について
- 医動物学教室 (教室だより)
- 兵庫県下におけるネズミ寄生蠕虫類の調査成績 : 1.神戸市人工島(ポ-トアイランド)における広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis)侵淫の有無を中心として
- 最近の寄生虫症と画像診断
- 今なぜ日本に熱帯医学か : 第27回日本熱帯医学会総会を通して (国際交流)
- チカイエカ (Culex pipiens molestus) 雄におけるチクングニアウイルスの感受性