Cnetha 属ブユの一新種レブンホソスネブユの記載と C. konoi Takahasi コオノホソスネブユの再記載
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概要
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著者は, 1977年7月25日に北海道礼文島の大沢川で, C. konoi Takahasiにきわめて類似した多数のブユの幼虫と蛹を得た。これらの蛹から成虫を羽化させた結果, C. konoiとまったく別種でありCnetha属の新種であると認めたのでこれを記載した。C. konoiの原記載(1950)は雄, 繭が簡略に記載されているが, 雌, 蛹, 幼虫は記載されていなかったので, 北海道大雪山, 日高山脈の諸河川で得た多数の幼虫と蛹と, これらを飼育して羽化させた成虫雌雄によって再記載した。両種はきわめて酷似するが, 雌雄の交尾器, 脚, 小腮, 大腮, 触角などは両種の付図に示すとおりの形態の差によりこの両種は区別できる。また蛹の呼吸系, 繭, 幼虫の頭部額板斑紋, 大腮先端部内側歯, 頭部腹面の割目などにも両種に明瞭な差が認められる。C. rebunensis 幼虫の生息している大沢川は低地湿原の間をゆるやかに流れ, 幼虫, 蛹は葦の茎部にのみ付着していた。C. konoiの幼虫は低地よりも山間部の急流に多く生息しており, 幼虫, 蛹は葦, 笹その他水草の葉の裏面に付着している。両種とも吸血習性は不明である。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1979-09-15
著者
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