日本産オオブユ属 Genus Prosimulium (Diptera, Simuliidae) 1 新種の記載
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概要
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著者は1975年6月15日北海道幌泉郡襟裳町でブユの調査を行い, 猿留川の2支流で多数の老熟幼虫, 蛹を採集した。これらを飼育して成虫を羽化させた結果Pro-imulium属に属する新種であると認めたので, ここにProsimulium sarurenseとして記載する。本種は雌雄の生殖器, 脚の形態から本邦産のProsimulium属のhirtipes-groupよりもyezoense-groupに類似しており, さらに蛹の呼吸系の形態からyezoense-groupとは別のgroupに属するものと見なされる。P. yezoense Shiraki, 1935およびその類似種は雌のみ腿節脛節が黄白色ないし黄色, 蛹の呼吸系は22∿36本であるが, 本種は雌雄ともに腿節脛節がすべて黄白色ないし黄色, 雌の小楯板の外縁部が銀白色, 雌雄の生殖器の特徴, 蛹の呼吸系が46∿48本であることなどにより明瞭に区別できる差異が認められた。蛹の呼吸系の数, 幼虫のhyposto-iumの歯の形態は, シベリア, アルタイ, アラスカ, カナダに広く分布しているP. alpestre Dorogostajskij, Rubtzov et Vlasenko, 1935に類似しているが, alpestreとは雌雄の生殖器, 脚の色彩, 爪の形状などにより明瞭に区別できる。本種に対しサルルキアシオオブユという和名を提唱した。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1976-09-15
著者
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