蚊幼虫個体群の化学的干渉

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概要

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自然界における蚊の個体群動態は幼虫密度の変動に依存していることは衆知の事実である。したがって, 幼虫個体群による自己密度の制禦の研究は非常に大切である。本研究では, 200または500匹のチカイエカー令幼虫群を5∿8日ごとに一群ずつ3l (24cm×30cm)の水に連続的に投入飼育し, その蛹化率, 羽化率, 産卵率, 卵塊あたりの平均卵数および最高蛹化数を示すまでの日数を調べた。その結果, 充分な餌量供与, 非高密度条件下でも, 蛹化率(幼虫生存率)は, 先行する生存幼虫個体群の大きさによって, 増減することを示した。これは, 残効性の短い化学物質(既同定のOvercrowding factorsであるかも知れない)によって, 幼虫の各令間および各令内の干渉を行っていることが予想された。さらに, この化学的干渉による個体数自働制禦は, 羽化した成虫群の増殖能力を極端に低下させ, 次世代の個体数をも制禦していることを発見した。
日本衛生動物学会の論文
1976-09-15

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