音源トラップによる雄蚊の大量誘殺
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概要
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人工群飛標識を導入し, 音源トラップによる雄蚊の大量誘殺を試みた。1×2.5mの黒布を0.7mの高さの三脚にまき, その中心0.7,1.5mの高さに2または4個の音源トラップを懸垂した。Cx. tarsalis, Cx. tritaeniorhynchusに対して, 日没後15∿20分間, 370Hz 100dBの音波を15秒間隔で5秒発信した。誘殺は雄特異的で, しかも大部分は3,4日齢であった。日齢変異は係留雄蚊のそれより極端に小さかった。カリフォルニアの孤立したノミヨケソウ(Marsh fleabane)の群落の周りに音源トラップを3または6セット(合計12個)を設置し, 2週間雄蚊を誘殺したところ, 係留雌蚊(吸血蚊, 抱卵蚊を除く)の交尾率は22%から0%へ減少した。同時期, 約200m離れた対照区では55%でほぼ一定であった。音に感敏で交尾欲の高い雄蚊の大量誘殺法は, 他の雄蚊個体群操作法より個体密度の抑圧効果が高いと思われる。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1985-09-15
著者
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池庄司 敏明
東京大学農学部害虫学教室
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榊原 充隆
東京大学農学部害虫学教室
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池庄司 敏明
東大・農・害虫
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榊原 充隆
東大・農・害虫
-
REISEN William
Department of Biomedical and Environmental Health Sciences, School of Public Health, University of C
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Reisen William
Department Of Biomedical And Environmental Health Sciences School Of Public Health University Of Cal
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