屋外吸血性蚊アノフェレスファラウティ駆除のための自家製蚊取線香

概要

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ソロモン諸島国における主要マラリア媒介蚊アノフェレスファラウティは, 多年にわたるDDT残留噴霧から, 屋外生息吸血性と早晩吸血性を獲得したといわれる。蚊帳内での就寝時刻まえの最盛吸血活動を回避するため, 住民が自作自給できる各種燻煙剤を考案し, 蚊忌避性とマラリア駆除効果について試験した。0.4% d-allethrin含有の鋸屑を空ビール缶にいれ燃焼心をつけた mosquito candleを, Tenaru Malaの20所帯で, 各家毎夜1.9個を屋外点火させたところ, 人囮蚊捕獲数が75%減少した。同材料をタピオカ澱粉で固形化したmosquito barを, Gilbert Campの120所帯のうち50所帯に配布し, 100連夜点火させたところ, 使用家族対非使用家族のPCDマラリア罹患率比は, 使用前の0.39-0.65から0.06-0.14へ低下した。さらに市販の0.2% d-allethrin含有蚊取線香を再浸漬し0.4%に強化した線香を, Ruavatu中高校の9寮生450人を対象に, 各寮毎夜7本を9カ月間点火させたところ, ACDマラリア感染率は32.6%から8.8%へ減少した。以上の結果から, 住民参加による生産可能で対費用効果のある, これらの燻煙剤はマラリア対策として有効であることを示した。
1996-12-15