機能的部位の大きな脳動静脈奇形に対する併用療法 : 脳動静脈奇形の治療
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概要
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脳動静脈奇形(AVM)の治療は, radiosurgeryの普及により, 近年著しい進歩がもたらされた. 深部あるいは機能的部位の小さいAVMには, きわめて有効である. これに対し, 機能的部位の大きなAVM(Spetzler-Martin Gradesの治療成績は, 血管内手術の進歩にもかかわらず, いまだmorbidityの低下はもたらされていない. 最近Hanらは, これらのAVMの自然歴から, 経過観察が部分的治療より出血の危険性が少ないと報告し, 保存的治療を薦めている. しかしながら, Stefaniらは, 出血の危険因子として大きさが関与すると報告している. 大きさのみならず他の出血危険因子を考慮した治療を検討する必要があるであろう. 近年のMRIを併用したガンマナイフ手術の経験より, 10ml(最大径約3cm)以下のAVMは, 初回治療で88.4%に完全閉塞が得られ, 5-13年の長期経過で合併症もきわめて少ないことが明らかとなった. 大きなAVMに対する併用療法にradiosurgeryの役割があると考えられる. 直達手術(feeder clippingを含む)あるいは血管内手術との併用治療が行われたAVMの治療結果について報告する.
- 2004-07-31
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