水牛と家畜牛との飼養学的比較研究 : 第2報 飲水ならびに排泄行動
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概要
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水牛および家畜牛(ホルスタイン)の飲水ならびに排糞・排尿行動を3回の消化試験実施時に72時間×2回(各4頭)および96時間(各6頭)にわたって記録した.1日の平均飲水量は, 水牛24.6kg, 家畜牛38.3kgで, 後者が有意に多く体当たりの摂取量で比べても同様であった.排糞量は両者に有意の差を認めなかったが, 飼料摂取量に対する割合で比べると水牛は有意に少なく, この牛が消化率が優れているとの前報の成績との関連性を示唆した.排尿量は実量および体当たりの割合ともに, 家畜牛の方が多く排泄した.しかし, 飲水量に対する割合で両種を比較すると差はなかった.1日における排糞および排尿回数は, 家畜牛は9.1±1.7回および6.8±2.9回に対し水牛は5.9±2.1回および2.6±1.2回と極めて少なかった.とくに排尿回数は1日1回の水牛がのべ14頭中4頭, のべ観測日数48日のうち10日を記録した.一方, 家畜牛では1日10回以上排尿した牛が半数を占めた.水分総排泄量および不感蒸散水分量ともに家畜牛は水牛よりも高い価を示し, 代謝体重当たりで表しても同様の結果であった.本研究で得られた排泄行動における水牛の特性は, 将来水牛を集約的に飼養する際の施設・設備計画にとって有用な情報となろう.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1990-03-01
著者
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