水牛と牛のルーメンにおける飼料付着菌と浮遊菌のセルラーゼ活性
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概要
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水牛は牛よりもルーメン細菌濃度が高いことが前報で明らかになった.そこで,細菌濃度の相違が,ルーメン内の飼料付着菌と浮遊菌の濃度や,それらのセルラーゼ活性に及ぼす影響について調べた,水牛と牛に品質の異なる三つの粗飼料(稲ワラ,チモシー乾草,アルファルファヘイキューブ)をそれぞれ単独で飽食させ,ルーメン液を採食後0,2,4時間に採取した.それを直ちに遠心分離(600×g)して固型物区(飼料付着菌)と液区(浮遊菌)に分け,両区の細菌濃度(2,6-ジアミノピメリン酸)とセルラーゼ活性(基質:カルボキシメチルセルロース)を測定した.飼料付着菌の濃度は水牛の方が牛よりも高かった.しかし,その細菌のセルラーゼ活性には有意差がなく,したがって,比活性(セルラーゼ活性÷細菌濃度)は水牛の方が牛より低かった,このことから,細菌濃度が高いことで,細菌の飼料付着量は増加するが,セルロース分解菌の付着は必ずしも増加しないことが示唆された.浮遊菌の濃度とそのセルラーゼ活性は,牛では,飼料の質の向上と共に増加したが,水牛ではどの飼料でも高かった.飼料付着菌と浮遊菌の比較では,前者が後者より細菌濃度が低かったが,セルラーゼ活性と比活性は非常に高かった.
著者
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