搾乳経過中における乳房炎諸指標の変動の細菌感染状況による差異
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概要
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乳房炎診断方法の確立に資する知見を得るために,搾乳経過中における乳汁中体細胞数乳汁中体細胞の種類別構成比,乳汁の電気伝導度およびN-acetyl-β-D-glucosaminidase(NAGase)活性の変化が細菌感染状況の異なる公房間でどのように異なるかを比較した.試験には搾乳牛6頭の24分房を用いた.得られた結果は,(1)乳汁中体細胞数は,分房の細菌感染状況に関係なく,搾乳の経過にともなって増加した.(2)全体細胞のうち白血球の占める割合は,1次性病原菌(Staphylococeus aureus,β溶血性StreptococcusおよびEscherichia coli)感染分房においては搾乳中ほとんど変化しなかったのに対して,非感染分房においては搾乳の進行にともない漸増した.また2次性病原菌(Staphylococcus epidermidisおよびα溶血性Streptococcus)感染分房においては,一定の傾向は認められなかった.(3)電気伝導度およびNAGase活性は,1次性病原菌感染分房においては,搾乳の経過にともない上昇したが,2次性病原菌感染分房では変化量が小さく,非感染分房ではほとんど変化しなかった.これらの結果から,乳汁中体細胞数ならびにその種類別構成比は搾乳時の前しぼり乳について,電気伝導度およびNAGase活性については後しぼり乳について検査することが適切であると思われた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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