ウンシュウミカンをついだカラタチ台の伸長根における頂端分裂組織の電顕観察
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概要
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好適栽培条件下での3年生のウンシュウミカン(興津早生)をついだカラタチ台の伸長中の根を用いて, 頂端分裂組織および中心柱, 皮層, 表皮や根冠などの始原細胞を光学顕微鏡と透過型電子顕微鏡で観察した, 光学顕微鏡では, 始原細胞, 中心柱, 皮層および表皮・根冠組織が認められたが, 頂端分裂組織, 始原細胞の分化や伸展については不明瞭であった.一方, 電子顕微鏡による観察では, 頂端分裂組織は3層の中心柱, 皮層および表皮・根冠始原細胞組織として明確に識別された.3層の始原細胞は横方向に伸びた細胞集団によって構成されていた.根の先端に向かって, 3層のうち上層は中心柱始原細胞, 中間層は皮層始原細胞, 下層は表皮および根冠始原細胞として観察された.始原細胞は球形から管状の多数のプロプラスチドを有していたが, デンプン粒は全く含有していなかった.ところが, 中心柱始原細胞から分化直後の細胞は, 管状のプロプラスチド内に楕円形の小さなデンプン粒を含有していたが, 皮層始原細胞のプロプラスチドは大型のデンプン粒を有していた.皮層始原細胞では細胞間隙が横方向に形成され始めていた.しかし, 中心柱始原細胞では細胞間隙は未形成であった.さらに, 中心柱および皮層始原細胞に由来する細胞内には好オスミウム性の脂質様顆粒がたくさん確認された.根冠始原細胞は多数のよく発達したアミロプラストを有し, それらのアミロプラストには5〜15個のデンプン粒を含む複粒デンプンが充満していた.
- 1999-09-01
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