多人数両眼眼球運動分析装置とこれを用いたハイビジョン立体画像の視線分析(<論文特集>ディスプレイJapan Display'92を中心として)

概要

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画像を観察中の眼球運動を分析することにより, その画像の持つ特性を客観的に評価することが可能と考えられる.特に, 複数の被験者の眼球運動を同時に表示することにより, 興味や注意などの個人間の特徴を一目で明らかにできるが, そのような実験を可能にした装置は報告されていない.従来は1台の眼球運動分析装置で, 一人の被験者しか測定できないため, 同じ実験を何回も繰り返す, 非効率的で時間のかかる手法が用いられてきた.本論文では, このような問題点を解決するため, 新しく4人の両眼眼球運動を同時に検出し, リアルタイムで表示できる装置を提案するとともに, この装置を用いた視覚実験用として開発したハイビジョン立体画像提示装置についてその構成を述べる.さらに, ハイビジョン画像を3Dで見せた場合と2Dで見せた場合を比較し, 3Dのみならず2Dでも左右眼の注視位置, 注視時間, 速度に不一致が生じること, また3Dでは2Dに比べ, バージェンス分布が広がることを示す.
社団法人映像情報メディア学会の論文
1993-05-20