組み込みCPUと専用回路によるOgg Vbrbis音楽デコーダのVLSI化設計

概要

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本文では,携帯端末用OGG Vorbis音楽デコーダのVLSIアーキテクチャの提案を行う.演算処理量の解析により,LSP(Line Spectrum Pair)処理が全体の処理量の50%以上を占め,これが組み込みプロセッサでリアルタイム処理を実現するためのボトルネックであることが判明した.そのため,ARM7TDMIプロセッサと共に1チップのシステムLSIに組み込むことを目的として,LSP処理の専用ハードウェアを実装する.さらに,ハードウェアコスト削減のために,LSP処理専用ハードウェアについては,浮動小数点演算の代わりに固定小数点演算を採用する.また,IMDCT処理のハードウェア化を目的とした演算精度の解析を行った.Virtual Silicon 0.15μm CMOS techonologyによるLSP処理専用ハードウェアを実装した結果,ゲート数9,740,最大動作周波数58.8MHzとなり,この専用ハードウェアを用いることによりプロセッサの負荷を約57%軽減できた.また,LSP処理を固定小数点型で演算を行っても,音質の劣化はみられなかった.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-08-16