カメにおける弁別反応に対する部分強化が消去に与える効果について : 分散試行習得訓練を与えた場合
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Two groups of 10 turtles(Geoclemys reevesii)each were trained in a black-white discrimination situation using a Y-maze,one with 50% partial(PR)and the other with continuous reinforcement(CR),followed by extinction of the learned response.They received widely spaced trials(one trial per day)during acquisition training and massed trials during extinction.The CR group learned the task more rapidly than the PR group is acquisition but both groups resulted in almost indentical asymptotic level.Significant differences in extinction were found in terms of both of choice and running latency measures.Extinction curves for the two groups demonstrated rather typical partial reinforcement extinction effect(PREE).But the difference in choice measure between groups can be interpreted as the difference in running latency because of our definition of incorrect choice.The results were compared with those obtained in analogous experiments with turtles and discussed in terms of the trial spacing during extinction used in the present study and its relation to the assessment of a spaced-trial PREE.1群10匹の2群からなるクサガメをY型迷路を用いて白黒弁別事態のもとで訓練し,そののち消去試行を与えた。1群は50%の部分強化(PR),他の1群は連続強化(CR)である。2群とも習得訓練で1日1試行の分散試行が,消去試行では集中試行が与えられた。習得訓練ではCR群がPR群よりも学習が速かったが,最終的には両群ともほぼ同一の漸近値に到達した。消去では選択数及び反応潜時の両測度において有意差がみられた。消去における両群の遂行曲線は典型的な部分強化消去効果(PREE)の生起をあらわしているといえよう。ただし本実験が用いた誤反応に対する手続のゆえに,正反応選択数の測度における上述の差はむしろ走行潜時の差を反映するものと解釈される。これらの諸結果はカメを使った他の実験結果と比較検討され,その上で本実験で用いた消去時の試行分散の条件と,それの分散試行PREEの生起判定への関連とが考察された。
- 大阪教育大学の論文
著者
-
石田 雅人
大阪教育大学教員養成課程学校教育講座
-
小林 素子
Department Of Psychology Osaka Kyoiku University
-
石田 雅人
Department of Psychology,Osaka Kyoiku University
関連論文
- カメにおける部分強化の配合型と消去抵抗
- イモリにおける位置弁別課題での過剰訓練逆転効果の検討
- カメにおける弁別反応に対する部分強化が消去に与える効果について : 分散試行習得訓練を与えた場合
- イモリにおける部分強化学習と消去抵抗
- OC-02 イモリにおける分散試行事態での道具的学習の不生起(日本動物心理学会第68回大会発表要旨)
- 両生類における比較学習研究の動向と課題
- カメの起源に関する新知見とその比較心理学的意義
- 暴力行動の危険信号 : アメリカにおける青少年暴力の予防対策
- 比較学習心理学をめぐる問題と動向
- カメの対象物探索行動と空間認知 : 第II報
- カメの対象物探索行動と空間認知(第I報)
- カメにおける弁別反応の部分強化が消去に及ぼす効果 : 集中試行習得訓練事態での検討
- クサガメ(Geoclemys reevesii)における分散訓練と道具的遂行との関連
- ブルーギルの部分強化効果に関する予備的研究
- 消去抵抗からみた人間,ネズミ,サカナの情報処理差
- ブルーギルにおける過剰訓練逆転効果の検討
- 子育てにおける母親と父親のストレス比較 : 母親の就労形態による差異
- カメにおけるT迷路を用いた位置弁別問題での明るさを無関連手掛かりとしかつ運動負荷デバイスを取り付けた場合の逆転弁別学習に及ぼす過剰訓練の効果
- 動物における系列パタン学習の機構 : 1980年代を中心とする文献展望
- クサガメの部分強化学習とその消去
- 潜在制止と知覚学習に関する理論の動向 : 刺激先行提示効果の機構
- P-2-06 T迷路におけるカメの知覚学習効果の検討(日本動物心理学会第58回大会発表要旨)