カメにおける弁別反応の部分強化が消去に及ぼす効果 : 集中試行習得訓練事態での検討
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概要
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Three groups of turtles(geoclemys reevesii)were trained in a black-white discrimination task in a Y-maze;one with 50% single alternating(SA),the second with 50% random(Rd),and the third with continuous reinforcement(CR)schedules followed by extinction of the learned response.They received 8 trials per day with massed-trial condition during 10-day acquisition and 5-day extinction.Analyses on the number of correct response indicated no group difference between three groups during acquisition but a significant group difference during extinction;the Rd and SA groups permormed better than the CR group,with no difference between two partial groups.The results,which demonstrated a typical partial reinforcement extinction effect(PREE),are compared to those of analogous experiments with turtles and rats,and are discussed in terms of the length of intertrial interval as a possible determinant of PREE and the response measurement toward comprehensive interpretation of a choice behavior.3群のクサガメがY型迷路を用いた白黒弁別課題で訓練を受けた。3群はそれぞれ50%単一交替(SA),50%ランダム(Rd),そして連続強化(CR)の各群であり,これらは訓練ののち消去を受けた。習得訓練は1日8試行の集中試行で10日間行なわれ,消去は同条件で5日間行なわれた。正反応数で分析した結果,習得では3群間に有意差はなかったが,消去ではそれが認められ,RdとSAの両群はCR群よりも有意に正反応数が多かった。ただし部分強化両群(RdとSA)間には差がなかった。これは明らかに部分強化消去効果(PREE)の生起を示すものである。この結果はカメを使った他の研究及びラットを用いた研究と比較検討され,その上でカメのPREE生起の決定因として試行間隔の長さが示唆された。さらに選択事態を用いた結果を一貫性をもって説明するための方策として反応測度の問題が論じられた。
- 大阪教育大学の論文
著者
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石田 雅人
大阪教育大学教員養成課程学校教育講座
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石田 雅人
Department of Psychology,Osaka Kyoiku University
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中田 靖子
Department of Psychology,Osaka Kyoiku University
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中田 靖子
Department Of Psychology Osaka Kyoiku University
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