ツチイロエンマコオロギの翅長と飛翔筋に見られる連続的な変異 : 翅型二型現象の進化(2002年度学会賞受賞論文)
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概要
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The highlights of the paper entitled "Continuous variation in wing length and flight musculature in a tropical filed cricket, Teleogryllus derelictus: implications for the evolution of wing dimorphism (Entomological Science, 4: 195-208, 2001)" are described. Wing polymorphism with continuous variation in flight musculature was discovered in T. derelictus Gorochov derived from Java, Indonesia. The frequency distribution in relative wing lengths, hind wing length (HW)/fore wing length (FW), was bimodal with a relatively low frequency of intermediate morphs (IM morph). Flight muscle mass at adult emergence was directly related to HW/FW and the variation was continuous. It changed little after emergence in short-winged (SW) morphs, but showed a >70% increase in some long-winged (LW) morphs, whereas a reduction in mass due to histolysis occurred in IM and other LW morphs. The total fat and triacylglycerol contents were related to body weight, but not to HW/FW. Injections of a synthetic adipokinetic hormone stimulated the formation of low-density lipophorin in both LW and SW morphs, indicating that inter-morph differentiation has not occurred in the lipid-mobilization system. The present results with T. derelictus do not support Roff's hypothesis that a reduction in flight muscles occurred before that in wing length during the course of evolution for wing dimorphism, but may suggest an alternative evolutionary pathway.
- 日本昆虫学会の論文
- 2003-09-25
著者
-
片桐 千仭
北海道大学・低温科学研究所、低温基礎科学部門
-
中村 浩二
Institute Of Nature And Environmental Technology Kanazawa University
-
片桐 千仭
北海道大学低温科学研究所
-
中村 浩二
金沢大学理学部
-
田中 誠二
独立行政法人昆虫・動物研究部門・生活史制御研究室
-
新井 哲夫
芦屋大学教育学部生命科学教室
-
中村 浩二
金沢大学理学部生態学研究室
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