積層型二重量子井戸構造を用いた電子波スイッチにおける電界分布効果

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概要

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メソスコピック領域における電子の波動性を利用した新しいデバイスとして図1のような積層型二重量子井戸構造電子波スイッチが提案されている。この構造は量子細線構造の微細加工を必要としない上、高い電流駆動能力を秘めている。図示のように、ゲート電極に電圧を加え、それぞれの量子井戸における電子波の量子化エネルギーを等しくさせれば、二つの量子井戸間にトンネリング効果を介在した電子波の遷移が起きる。理論上、適切な電圧やゲート長を選択すれば、100%近い遷移が得られると予測されているが、実験的には僅か数%しか確認されていない。このことは部分的にゲート電圧による印加電界の不均一分布に起因するものと考えられる。本報告では、ゲート電極周辺の電界を厳密に解析し、電界分布による二つの量子井戸間の量子化エネルギー差への影響を示す。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-09-05

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