デジタル移動通信用高効率線形電力増幅器

概要

論文の詳細を見る
移動通信用端末では、電池の負担を軽減するため回路の高効率動作が求められている。特に、消費電力の大きい電力増幅器ではそうした要望が強い。アナログ移動通信方式では、高効率な電力増幅器として飽和増幅器が使われている。しかし、帯域制限をかけたOPSK変調方式によるデジタル移動通信方式では、非線形増幅器である飽和増幅器を用いると隣接チャンネルヘの漏洩電力が増加する。これを解決する手段としてドレインバイアス制御法やゲートバイアス制御法が提案されている。しかし、前者ではドレインバイアス制御として電圧だけではなく電流も制御しなければならず、出力可変DC-DCコンバータが必要となる。このため、総合効率的には必ずしも有利ではなかった。また回路も複雑かつ大規模となっていた。一方後者では、電圧のみの制御で済み出力可変DC-DCコンバータは必要としないが、効率領域でのダイナミックレンジが取れず、十分な出力制御が出来なかった。今回、これらの問題点を解決し、効率かつ線形な電力増幅器を試作したので報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-09-05