主観的輪郭線の形態視モデル

概要

論文の詳細を見る
生物の柔軟なリアルタイムな情報処埋を工学的に利用するためには、生物における特徴的な情報処理機構を明らかにする必要がある。その例として主観的輪郭線(以下 ICs:Illusory Contours ) がある。ICsとはKanizsaの三角形(Fig. 1a)に代表されるように輝度差が無い場合でも知覚できる線のことである。今回、我々はICsの中で最も単純な「ずれ格子パターン」(Fig. 1b)について考える。これまで線分の端点を補間することによりICsが形成されるモデルが考えられてきたが、実画像のように図形が複雑になると端点と端点を結ぶルールも複雑になり、実世界でリアルタイムに情報処理していかなければならない生物の情報処理方法としてはふさわしくない。心理物埋学・生埋学から、視覚情報は空間周波数フィルターごとに並列に情報処理されていて、異方性を持ったSine Gabor型 (反対称型) とCosine Gabor型 (対称型) フィルターとline processとfilling-in processの存在していることがわかっている。我々はこれらの知見に基づき、ある空間周波数に対して境界と面情報を抽出し、最も共通な部分と変化部分が残るとする「最大関係性原理」を用いて統合することによりICsを含んだ形態表現を生成するモデルを提案する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-08-13

主観的輪郭線の形態視モデル

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク