協調作業支援のためのデータ管理モデル

概要

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複数の作業者が文書, ソフトウェア, 設計図などの目的物を共同で作成するような非同期蓄積型の協調作業では, 作業者間で互いに調整を行いながら, データ間に課せられた一貫性制約を満たすように作業を行う必要がある. ところが, 従来のデータベース管理システムにおけるトランザクションは通常短時間であり, また, 一貫性制約を犯すようなトランザクションはアボートされてしまうために, このような協調作業を行う際のデータ管理には適していない. 本論文では, 協調作業においては作業者間の協議の支援が重要であるとの考えに基づき, データ間に課せられた一貫性制約に着目したデータ管理モデルを提案する. また, 非同期的協調作業環境においては, 作業者全員が同時に作業を行っているとは限らないことを考慮し, 作業者間の協議が即座に行えない場合でも作業を中断させることがないような制御モデルを提案する. 最後に, 提案するシステムモデルの実装例として, 文書やソフトウェアなどのテキストファイル上での協調作業を支援するCOCOAシステム(COmmon COoperative work Assistant System)の実装について述べ, 提案するモデルの有効性を検証する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-05-25