検出済み故障を考慮した同時故障シミュレーションの高速化手法

概要

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故障シミュレーション高速化の新しい手法を二つ提案する.故障シミュレーションでは故障リストの伝搬を行う場合,再収れんゲートでは処理が複雑になる.1番目の手法では検出済故障を考慮し,再収れんゲートを非再収れん化することにより高速化を図る.次に,故障シミュレーションでは検出率が上がり,検出済故障が増加すると,ほとんどの入力パターンに対して,新たな故障を検出できなくなる.2番目の手法は,このような入力パターンに対して,新たに検出できる故障がないことがわかった時点でシミュレーションを打ち切ることにより,高速化を図るものである.また,処理を行う信号線の順序を変更することにより,打ち切る時点を,より早くしている.これらの手法をプログラム化しISCAS'85のベンチマーク回路に適用した実験より次の結果が得られた.二つの手法を同時に適用した場合は故障シミュレーションのみに対してRTGの実行時間はC3540とC6288を除いて1.2〜1.4倍程度高速化する.また,同様にRTG後2000回のシミュレーション実行時間は1.3〜2.4倍程度高速化する.更に各手法のための計算時間は小さい.
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-12-25