突入電流ならびにリプルを軽減できるリング形昇圧スイッチトキャパシタDC-DCコンバータ

概要

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本論文では, n個のキャパシタがスイッチによりリング状に結合される, 従来の方式とは全く異なる新しい方式のDC-DCコンバータを提案している.スイッチトキャパシタ(以下SCと略記する)を用いたコンバータは, インダクタや抵抗を含まないため集積化が容易であり, また, 磁束の発生が少ない等の利点をもつが, 一方で, 電源投入時に大きな突入電流が流れることや, 入力電流リプルが大きいこと, 更に多数の非接地のスイッチをもつため, 駆動回路が複雑になる, 等の問題点があった.本回路は, SCをリング状にし, 一度に充電されるキャパシタの数を1個にすることにより, 突入電流や入出力電流リプルを小さくし, またスイッチの駆動を容易にしている.本コンバータは, 従来のコンバータに比較して以下のような利点がある.(1)電流投入時の突入電流が小さい.(2)入出力電流のリプルが小さい.(3)従来のSCのみで構成されるコンバータと比較して, スイッチの数が少ない.(4)スイッチの駆動が極めて容易である.(5)小形・軽量でトランスやコイル等の磁性部品を含まないので, 電源回路を含めたシステムオンチップが可能である.
1998-07-25