画像信号の方向性を考慮したインパルス性ノイズ除去手法

概要

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インパルス性ノイズによって劣化した画像の復原問題点において, ノイズ検出器を用いて作成したノイズ位置画像をもとにインパルス性ノイズを除去する手法が提案されている.しかし, それらの手法はフィルタ窓内の非劣化画素だけを用いて処理すべき画素の信号値を推定することから, フィルタ窓内の多くをインパルス性ノイズによって占められた場合には, 推定の際に必要となる信号情報が不足し, 処理点の推定精度が著しく低下することが考えられる.また, これまでの手法では処理点の信号値の推定には平均値フィルタやメジアンフィルタが用いられており, 画像信号がもつエッジ成分や細部成分といった方向性(形状)を考慮した処理がなされていなかった.そこで, 本論文ではこれら二つの問題点を改善することにより復元精度の向上を図る新たなノイズ除去フィルタを提案する.提案するフィルタではまず, フィルタ窓内の原信号画素の個数が不足するという問題に対し, フィルタ窓内の劣化画素をあらかじめ補正し, 十分な信号情報が得られたうえで処理点の信号値をフィルタによって推定する方法を適用した.また, 画像信号がもつ方向性の保存に関しては, 方向性差分フィルタを拡張することにより改善を試み, 実際の画像処理結果から有効性を検証している.
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-06-01

画像信号の方向性を考慮したインパルス性ノイズ除去手法

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