Variable Step Size アルゴリズムを適用した拡張誤差型 ANC システムの収束特性に関する検討

概要

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ステップゲインを固定した拡張誤差型 ANC システム[1]では, 音響結合系を模擬したcフィルタを含んでいるため, そのモデル化誤差が存在する限り, 収束特性は最終的に発散してしまう. しかし, ステップゲインを小さくとれば, システムの収束特性における発散に至るまでの時間を長くでき, また推定精度も向上できるという特徴を持っている[2]. そこで, 本稿では拡張誤差型 ANC システムに, 収束の進行と同時にステップゲインを徐々に小さくする Variable Step Size アルゴリズム[3](以下, VSSアルゴリズム)を導入する. これによりステップゲインを固定したシステムよりも安定なシステムを得ることが期待できる. また, このVSSアルゴリズムはステップゲインを0に近づけていくため, 推定精度が向上する前に更新が止まってしまうおそれがある. そこで, ステップゲインを固定したシステムと同程度あるいはそれ以上の推定精度が得られるようステップゲインを変化させていく. 以上, 本稿では上記のような2つの観点から収束特性を検討していく.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06