ニューラルネットワークを用いた電話機ハンドセットの自動設計法

概要

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現在行われている音響機器の設計法の一つとして, 音響等価回路を利用した設計法がある. この音響等価回路を利用した設計法とは, 設定された目標周波数特性を実現する音響等価回路上のパラメータを設計し, それらのパラメータから実際の寸法を求めることである. しかし, 電話機などの小型音響機器では音響等価回路解析は非常に複雑となるため, 現実にはカットアンドトライによって設計されている. 等価回路解析を複雑化させる要因としては, 音響パラメータと実寸法を関連づける公式や理論が確立されていないことや, 小穴の位置や数等まで等価回路で表そうとした場合, パラメータ数が増大し等価回路の自由度が劇的に増すことなどが挙げられる. それ故, これらの問題点を解決あるいは回避する必要がある. そこで, 我々は等価回路解析を介さず, 周波数特性から直接寸法を設計する方法を提案する. すなわち,周波数特性と実寸法間の因果関係をニューラルネットワークにより抽出モデル化することによって, 等価回路に変換することなく直接寸法を設計することを可能とした. また,本手法によって構築されたネットワークに対して, 未知の周波数特性を入力し評価したところ, 本手法が電話機ハンドセット設計に非常に有効であることがわかった.
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-04-25

ニューラルネットワークを用いた電話機ハンドセットの自動設計法

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