非線型最適化手法を用いた電話機のハンドセットの自動設計による漏洩の影響低減の可能性

概要

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電話機を実際に使用するときには、耳と受話器に間隙が生じるため受話音声の漏洩が発生し、通話品質が大きく低下することが知られている。現在のところ、漏洩の影響の対処として、耳あての改良や耳への圧着力を増すなど、主として外部条件に頼って防いでいるのが現状である。しかし、これらの方法には実用上限界があるため、設計者としてはあらかじめ設計の段階から、漏洩の影響を低減するようなハンドセット自体の構造を考えるべきである。一方、我々はこれまで非線型最適化手法によって圧電形電話機の音響パラメータの推定を行ってきたが、この推定法を設計法に展開した。すなわち、漏洩量の大小に適応できる評価関数を考察することにより漏洩の影響を低減する圧電形電話機の受話器の音響パラメータ値の自動設計法を得た。その設計結果を基にハンドセットの試作を行った。その結果、振動板に軟らかく、軽く、抵抗の小さいものを使用し、更に、第二前気室の容積を大きくすることによって漏洩の影響を低減する効果があると分かった。
社団法人日本音響学会の論文
1995-05-01