3次統計量より得られた位相情報に基づく非最小位相 ARMA システム同定法

概要

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不規則信号の統計的解析により,その信号のもっているダイナミックスをとらえ,信号の生成過程を記述するモデルを同定することは信号処理における重要な課題の一つである.従来,この解析には主に自己相関関数などの2次統計量が用いられてきたが,2次統計量は信号の位相情報をもっていないため,非最小位相信号の解析を行うことはできない.そこで,信号の位相情報ももっている高次統計量を用いた解析手法が近年注目されている.本論文は,観測される信号を非ガウス性白色過程を入力とする線形・定係数システムの出力信号としてモデル化し,その生成システムを観測信号の3次キュムラントを用いてパラメトリックに同定する一手法を提案するものである.その概要は,まず推定したいシステムと位相特性の等しい全零システムを観測信号の3次キュムラントのケプストラムから推定し,その全零システムに位相不変変換を施すことによりシステムの極および零点を再配置して,システムの振幅特性をマッチングさせるものである.また,3次キャムラントはガウス性の付加雑音に対して不感であるため,観測信号にガウス性付加雑音が加わった場合に対しても有効な推定法であるという特徴もある.
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-04-25

3次統計量より得られた位相情報に基づく非最小位相 ARMA システム同定法

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