直交ミラーフィルタバンクの出力を利用したMUSIC法による高速移動目標の測角方式

概要

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レーダ信号処理において,同一レンジビン,同一ビーム内の複数の目標を分離・測角する方式として,離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)を利用したドップラーフィルタバンク出力をMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)処理する方式が提案されている.しかし,従来のドップラーフィルタバンク処理は,パルス繰り返し周波数(PRF:Pulse Repetition Frequency)を処理単位として行われているために,1個のドップラーフィルタバンク出力を得るために複数のパルスを必要としていた.さらに,目標のドップラー周波数がPRFよりも大きい場合,ドップラーフィルタバンク処理によって,目標のドップラー周波数は周波数軸上で直流からPRF/2の間に折り返されて出力される問題が生じる.そこで,本報告では同一レンジビン,同一ビーム内に存在する高速移動目標を分離・測角する方式として,直交ミラーフィルタの出力をMUSIC処理して測角を行う方式を提案する.さらに,計算機シミュレーションによって,提案方式が高速移動目標の測角に有効であること示すとともに,提案方式を利用することによって,従来方式と比較してドップラーフィルタバンク処理に必要なパルス数が低減できることを示す.
2002-10-11