焦点調節動特性を考慮した時空間視覚モデルによる反応時間特性の理論的再現
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
視覚系の基本現象(ぼけと視野の相互依存作用)を土台とし, これに網膜神経節細胞から脳に至る二つの画像処理経路(XとYチャネル)の時空間周波数特性を組み合わせることにより, 静止画像だけでなく動画像(フリッカー, ドリフト, 瞬間提示画像)に対する視知覚応答特性も理論的に再現可能な時空間視覚モデルが定式化されている. しかし, この時空間視覚モデルは画像切替り時の時間応答特性に不連続点が発生する問題があった. 本論文では, 時空間視覚モデルの汎用性, 適用可能性を更に高めるために, 視覚系焦点調節機構の動特性(遷移特性と最大遷移速度)を従来モデルに組み込むことで, 時間応答特性の不連続点の問題が解決できる, より汎用的な非定常時空間視覚モデルの定式化を行う. そして, 本モデルの汎用性, 適用可能性の拡大を示す一例として, 反応時間(=知覚時間+知覚後スイッチを押すまでの時間)の空間周波数依存特性が本モデルから理論的に導出でき(従来モデルでは不可能), 実測結果ともよく一致することを示す. この結果は, 反応時間特性の生じる原因として, 従来の考え方とは異なる別の要因(焦点調節機構の動特性)が関係している可能性を新たに提起している.
- 1997-11-25
著者
関連論文
- マルチチャネル構造時空間視覚モデルによる瞬間提示画像知覚特性の解析
- 時空間視覚モデルを用いた瞬間提示画像知覚特性の再現 : 視聴覚技術
- 時空間視覚モデルを用いた瞬間提示画像知覚特性の再現
- 連続仮現運動刺激に対するフーリエ及び非フーリエ機構の運動検出特性
- 視覚系の仮現運動方向知覚特性に於ける刺激間間隔の影響
- 視覚系の仮現運動方向知覚特性に於ける刺激間間隔の影響
- 眼の焦点調節機構の画像依存特性
- 2)眼の焦点調節機構の画像依存特性([情報ディスプレイ研究会 視聴覚技術研究会 画像処理・コンピュータビジョン研究会 画像通信システム研究会 画像応用研究会]合同)
- 焦点調節動特性を考慮した時空間視覚モデルによる反応時間特性の理論的再現
- 時空間視覚モデルを用いた空間周波数-知覚時間特性の再現
- Vision/Measurement(1996 SID国際シンポジウム報告)
- 1996 SID国際シンポジウム報告 : Vision/Measurement
- マルチチャネル構造視覚モデルによる視知覚特性の理論的再現 : コントラスト感度の画面サイズ依存特性
- マルチチャネル構造時空間視覚モデルによるドリフト画像知覚特性再現への応用
- 視覚モデルを用いた画質評価プロセスの定量的再現 : 眼を近付けた場合の画質など(エレクトログラフィ特集〜高画質化技術の動向〜)
- 視覚モデルを用いた画質評価プロセスの定量的再現 : 眼を近付けた場合の画質など
- 時空間視覚モデルによる多重仮現運動の解析
- 23-3 視覚系方位チャネル特性に関する実験的検討
- 時空間視覚モデルによる多重運動検出