マルチチャネル構造視覚モデルによる視知覚特性の理論的再現 : コントラスト感度の画面サイズ依存特性
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概要
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視覚系の基本現象(ボケと視野の相互依存作用)に着目して定式化した視覚モデルは, 提示画像の性質や提示条件に依存して変化する視覚系の視知覚応答特性を正確かつ定量的に再現する能力をもっている. しかし, 今の視覚モデルそのままでは画面サイズに依存してコントラスト感度特性が変形する視覚現象の理論的再現は困難であり, 視覚系の他の基本的特性を導入し, より汎用的なモデルに拡張する必要がある. 本論文では, 視覚系の一つの基本的特性として, 空間周波数弁別能力の限界(空間周波数弁別不可能領域の存在)という画面サイズ依存特性とは一見何の関係もなさそうに見える特性に着目し, この特性を視覚モデルに導入すれば画面サイズ依存特性に関しても理論的に再現可能な視覚モデルに拡張でき, 実測結果ともよく一致するようになることを示す. また, シミュレーションから得られた空間周波数弁別不可能領域の理論幅と実測で得られている値とが同程度であることからも, 画面サイズ依存特性が空間周波数弁別能力の限界により生じている可能性が強いと判断できる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-05-25
著者
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