マルチチャネル構造時空間視覚モデルによる瞬間提示画像知覚特性の解析
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概要
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視覚系の基本現象 (ボケと視野の相互依存作用) を土台とし, これに網膜神経節細胞から脳に至る二つの画像処理経路 (XとYチャネル) の基本特性を組み合わせることにより, 静止画像だけでなく動画像に対する視知覚応答も理論的に再現可能な時空間視覚モデルが定式化されている. しかし, 視覚モデルに組み込まれたX,Yチャネルの時間周波数特性はゲイン特性のみであり実測が困難な位相特性は含まれていないので, フリッカーやドリフトのような周期的時間変化画像しか取り扱えない. 本論文では, 本視覚モデルの汎用性を更に高めるために, 時間周波数ゲイン特性とヒルベルト変換を応用して理論的に推定した位相特性とから視覚系の時間インパルス応答を導出し, これを従来の時空間視覚モデルに組み込むことで, より一般的な時間変化画像にも対応できる時空間視覚モデルに発展させた. 一例として瞬間提示正弦波に対する視知覚応答特性 (コントラストしきい値と提示時間の関係, コントラスト感度空間周波数特性) を本視覚モデルから再現したところ実測結果ともよく一致し, 本時空間視覚モデルの正当性・有効性を示すことができた.
- 1996-08-25
著者
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