Si-NMOSFETのキャリア熱速度の計算 : チャネル不純物濃度, backscattering係数,並びにチャネルSi膜厚依存性(半導体Si及び関連材料・評価)
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概要
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MOS構造の表面量子化の自己無撞着計算に基づいて,チャネルイオン化不純物の表面密度並びにbackscattering係数が,Si-NMOSFETのキャリア熱速度に与える影響を議論する。そして,微細化による高性能化に陰りをもたらす原因の1つである,チャネルイオン化不純物の表面密度の増加傾向には,低電界移動度並びにダイオード電流特性の劣化やゲート絶縁膜電界の増加等,負の寄生効果ばかりではなく,キャリア熱速度が増加するむしろ好ましい性質も持ち合わせていることを,改めて指摘する。併せて,このキャリア熱速度の増加は,同じくチャネルイオン化不純物の表面密度と共に増加する反転居容量と同一の物理的背景を持つことを説明する。逆に,低電界移動度の増加等を狙ってチャネルイオン化不純物の表面密度を低減させた場合には,キャリア熱速度の劣化を伴うものの, double-gate FD SOIのチャネルSi層の超薄膜化による量子閉じ込め効果を利用して,劣化したキャリア熱速度を修復並びに向上可能であることを指摘する。また,すでに知られているsingle-gate FD SOI の量子閉じ込め効果と共に考察する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-12-12
著者
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土屋 敏章
島根大学総合理工学部電子制御システム工学科
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土屋 敏章
島根大学大学院総合理工学研究科電子制御システム工学専攻
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宝玉 充
セイコーエプソン(株)
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宝玉 充
島根大学大学院総合理工学研究科電子制御システム工学専攻:セイコーエプソン株式会社ic技術開発部
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土屋 敏章
島根大学大学院総合理工学研究科
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