新たな分散FD-TD法アルゴリズム

概要

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FD-TD法は, 時間領域における電磁界解析手法の一つである. 計算効率および実用性が高く取扱いが簡便であるため, 近年, アンテナや電磁波散乱問題の解析などに用いられている. しかし, 計算機メモリには制限があるため, FD-TD法で扱うことができる電磁界問題には限りがある. 最近, この問題を解決する手法として, Rodohanらにより分散FD-TD法が考案された. 分散FD-TD法は, 必要となるメモリを複数の計算機に分散させ, 多量の計算機メモリを必要とする電磁界問題解析を可能とする方法である. 本論文では, 吸収境界以外の電磁界差分計算において, Rodohanらの方法に比べ計算機間の通信回数および通信量を半減させ, 吸収境界の精度を向上させた新たな分散FD-TD法を提案する. 本手法の妥当性および計算高速化の有効性を確かめるため, 完全導体角柱に平面波を垂直入射したときの表面電流分布について, 従来のFD-TD法お上び本手法を用いて数値計算を行った. 両者の結果は一致し, また, 計算の高速化が確認され, 本手法の妥当性および有効性が示された.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-02-25