第二言語の語彙学習 : 意味学習と音韻知覚の関係(第二言語学習)(音声の基礎と応用シンポジウム)
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概要
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第二言語の音韻知覚と意味処理の関係を明らかにするため,日本語話者を対象に,英語の/r/と/l/で対立する文字単語の翻訳・訓練課題や音声単語の知覚同定訓練課題を用いた3つの実験を行った.実験1の結果から,単語内の音韻知覚の困難度が単語間の意味の混同と密接に関わっていることが示された.一方,実験2および3の結果から,音韻で対立する単語対を用いた,選択式の短期集中型翻訳訓練においては,音韻知覚の困難度は意味の学習や保持の効率に影響せず,知覚困難な単語対でも知覚容易な単語対と同程度の訓練効果が得られることが明らかとなった.これらの結果は,現実場面における長期にわたる第二言語の語彙学習過程では正しい音韻情報の獲得が重要である一方,実験室における集中訓練では音韻知覚の難しさに関係なく語彙学習が達成されていくという,語彙学習の特徴の二面性を示唆するものである.
- 2004-06-19
著者
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駒木 亮
ATR人間情報科学研究所
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山田 玲子
ATR人間情報科学研究所
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山田 玲子
Atr
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Yamada Reiko
Atr Human Information Processing Research Laboratories
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