VDT作業中のタスクを変化させたときの心電図, 指尖脈波の主成分分析

概要

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近年, OA化された職場で人々から, VDT作業の疲労に対する訴えが多く聞かれるようになり, VDT作業による疲労の問題が指摘されるようになっている. さらに, 人間は突然の判断や動作を要求されたときほど, その時点までの蓄積的な疲労を根底とした影響が現われる. したがって, 蓄積的な影響を踏まえて疲労を評価する必要性がある. 本研究では, VDT作業の疲労に伴う生体内部状態の変化を推定するために, ディスプレイ上の標点の落下点をマウスポインタで追従するタスクを繰り返し被験者に加えた. その上で, 心電図と指尖脈波を観察し, その評価量の時系列を時間を追って主成分分析した. このとき与える落下頻度を随時変え, 夕スクに変化を与えた. このような実験を健常な男性1名で, 落下頻度を一定とした場面と随時変えた場面で, 数日にわたりのべ16回行った. その結果, 落下頻度を一定にした場面に比べて, 随時変えた場面で第1主成分の寄与率が大きくなることがわかった. また, 第1主成分の寄与率は15分, 30分と実験が進むにつれて, 減少することがわかった.
1997-11-07