バートレット窓特性を用いたスペクトル補間による信号分離方法の一考察
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概要
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2つの異なる基本周波数をもつ信号s_1(t), s_2(t)が混在する信号 s(t)から, s_1(t)やs_2(t)のスペクトルを求める方法について報告する. s(t)のスペクトルと, s_1(t)の基本周波数の2倍の窓長を持つバートレット窓関数を畳み込むことによりスペクトルの平滑化を行うと, s_1(t)の基本周波数の影響は除去されているが, 同時に, 信号s_2(t)の基本周波数の影響は除去されていないスペクトル包絡を得ることができる. この影響の現れ方が信号s_2(t)のスペクトル成分の振幅値を反映していることを利用してs_2(t)のスペクトルを求める. このようなスペクトルの抽出は, 調波関係にある成分をひとつのまとまりとして強調するエンハンスメント操作ではなく, そのまとまりを棒引きするキャンセレーションの操作によるものである. 本報告では, s_1(t)とs_2(t)の混合信号から抽出されたs^'_2(t)のスペクトルの歪みの大きさを求め, 本手法の能力と限界について考察する. さらに, オンセット検出への展開例などについて報告する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-08-29
著者
-
増田 郁代
ATR人間情報通信研究所
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増田 郁代
ATR 人間情報通信研究所
-
河原 英紀
ATR人間情報通信研究所
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Yohia Hani
ATR人間情報通信研究所
-
Yehia H
Univ. Federal De Minas Gerais Belo Horizonte Bra
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