静止光ファイバ・テザー衛星方式(F-GTS)基礎検討 : 光ファイバ伸長実験

概要

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光ファイバ・テザー衛星(F-GTS)方式は静止衛星軌道の有効利用の上で画期的な技術であるが,テザー線に付加される張力の影響についてはまだ充分に解明されていない.そこで,張力発生機構に関して検討を加え,張力に変動がある場合の通信系への影響について考察している.特に瞬間的な張力の増大は張力波としてテザー線を伝搬するという考えから,光ファイバを伝搬する光信号の伝搬遅延時間が時間とともに変動することを見いだした.この変動の通信への影響を定量的に評価するために,実際に光ファイバ中を光信号が伝搬している状態で張力を付与し,光ファイバを伸長する実験を行った.また,張力波を与えて張力波の伝搬特性も調べている.その結果,光ファイバが破断するほどの大きさの張力が負荷されても通信系としての信頼性は劣化しないこと,瞬間的な張力の増大がもたらす伝搬遅延時間変動の影響を回避するF-GTSシステムに組み込まれる通信系に要求される特性がどのようなものであるか明らかになった.
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-05-18