広帯域スペクトル拡散直接波受信方式の同期捕捉回路の一検討

概要

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高度道路交通システムをはじめとする将来の移動通信は, 周波数不足のためミリ波帯等の高い周波数の電波を用いることになると予想され, 伝送路はライスフェージング環境となる. このような伝送路における通信性能向上のため既に, 瞬時フェージングのない直接波に同期し, 広帯城スペクトル拡散技術によりフェージングの原因となる遅延波を除去する直接波受信方式(BSS-DR方式)が提案されている. 本稿では, BSS-DR方式の同期捕捉回路を提案し, 平均同期捕捉時間, 信頼性を計算機シミュレーションにより求め, その性能を明らかにする. 検討に用いるライスフェージング伝送路には, レイリー波を指数モデルで近似したものを使用する. 伝送路の各到来波間の相互相関は, PN信号がランダム系列により生成されているものとして考慮している. 結果として, 各種パラメータを適切に設定することにより, 直接波-レイリー波電力比γ=1.0のときには約350T[sec]で, γ=10.0のときには約200T[sec]で, ほぼ100[%]の信頼性で同期捕捉可能なことを示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-07-18