ビル直撃雷に対するメッシュ接地の装置間誘導電圧抑圧特性

概要

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ビルに直撃雷を受けるとその雷電流が柱や梁等に流入するため, ビル内に配線した通信ケーブルや電源線, 接地線等に誘導電圧が発生し, 通信装置が故障することがある。装置を相互に接続する接地線はその防護対策のうえで重要な役割を担っており, これらの誘導電圧を最小限におさえるためメッシュ配線や枝状配線等が提案されているが, まだその効果を実験的に確認したり, 定量的に比較した例は見当たらない。このため, 筆者らは, 実際の鉄筋コンクリートビルを用いて直撃雷サージ電流注入実験を行い, 解析の基本となるビルの柱や梁のインピーダンス特性や雷サージ電流分布特性を明らかにしてきた。本論文は, これらの雷サージ電流分布特性をもとに, ビル内に配線した接地線への誘導電流, 電圧特性を実験と計算の両面から検討したものである。まず, 柱や梁に流れる雷サージ電流と床に配線された接地線への誘導電圧, 電流の関係を把握し, 誘導電流, 電圧が主に梁の電流のベクトルポテンシャルを求めることでほぼシミュレーション計算可能なことを示した。つぎに, メッシュ配線, 枝状配線, 単線配線の比較を行い, 誘導によって生じる装置間の電位差をおさえるにはメッシュ配線が最適な配線形態であり, 枝状配線等に比べて装置列間電位差を約1/5におさえる効果があることを明らかした。
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-01-25

ビル直撃雷に対するメッシュ接地の装置間誘導電圧抑圧特性

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