鉄筋コンクリートビルにおける直撃雷サージ電流の分布特性
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概要
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ビルに直撃雷を受けると, 柱や梁, 壁等に流れる電流の影響によって, 通信装置が故障することがある. このため, その電流分布特性を明確にし, 防護対策を確立する必要がある. 従来, ビルの電流分布推定には, 柱や梁を集中定数で表す線形モデルが用いられてきた. しかし, 実際のビルの検討例は数少なく, 現実に存在する大地やビルの壁, 床をどう取扱うか等, モデルと実際の対応付けが大きな課題であった. このため著者らは, 複雑な形の柱や梁の等価インピーダンスを実験的に検討すると共に, 大口径ロゴスキーコイルを設計して実際の柱や梁の電流を測定できるようにしてきた. 本論文では, これらの結果をベースに, 壁や床のないビル縮小モデルと実際の鉄筋コンクリートビルを用いて雷電流印加実験を行い, 大地や壁, 床の影響を検討すると共に, 従来の線形モデルの計算法との比較を行ったものである. この結果, 柱や梁の電流分布特性を明らかにすると共に, 電流分布の計算では, 柱や梁の等価インピーダンスに加えて大地抵抗率を考慮する必要があることを示した. また, ビルの外周がコンクリート壁の場合, その外壁の鉄筋に流れる電流は, ビルに流入する電流の約30%であることを示した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-09-25
著者
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