方向性差分に基づくインパルス検出器とメジアンフィルタ

概要

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本稿では高発生確率インパルス性ノイズ除去に有用に動作する新たなメジアンフィルタを提案する.提案するフィルタはフィルタ前段にインパルス検出器を配置した構造であるが,その検出器は方向性差分フィルタの優れた信号値推定能力を応用していることから,インパルス性ノイズが高発生確率,バースト的に発生した場合でも効果的にそれらの検知と除去が行える.また,後段のメジアンフィルタにおいても方向性差分フィルタの出力値の内在,処理点における逐次的な信号値の更新を導入し,従来のメジアンフィルタの高いノイズ除去性能を保持しつつ,細部,エッジ部等の信号保存性を向上することができる.さらに,インパルスの発生確率,階調値の変動に対するロバスト性も有しており,高発生確率インパルス性ノイズ重畳画像における復元結果の向上は顕著である.本稿ではまず,提案するインパルス検出器の有効性を示し,新たに構成したメジアンフィルタとの組み合わせから,より良好な画像処理結果が得られることを処理例を通じて実証する.その際,提案法のロバスト性も示し,その有効性も検証する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-12-17